WHITEPLUS TechBlog

株式会社ホワイトプラスのエンジニアによる開発ブログです。

2025年下期の取り組みをご紹介

2025年下期の取り組みをご紹介

こんにちは、CX開発グループでテックリードを担当している德廣です!

1. はじめに

ホワイトプラスでは、半期ごとに目標を設定し、チーム全体で取り組みを進めています。本記事では、2025年下期(7月〜12月)に向けて設定した目標と、11月時点までの取り組み状況について共有します。

本記事では、CX開発チームでの2025年下期(7月〜12月)の取り組みのうち、特に重要な2つに絞って、現状分析から今後の施策まで、半期の途中経過をご紹介したいと思います。

2. 部門目標

2025年下期の部門目標(抜粋):

  1. 収益確度の高い施策に係る開発サイクルを早める
  2. 開発プロセス/環境改善とLLMで開発生産性を15%以上改善する

これらの目標の背景には、「付加価値に直結しやすい開発を増やす」という継続的な課題があります。

3. CX開発チームの目標

部門目標を受けて、CX開発チームでは以下の2つの重点目標を設定しました。

3.1 収益確度の高い施策のリリース時期を守れる状態を作る

背景

これまでのプロジェクトでは、楽観的な見積もりや適切なバッファを持てていなかったことにより、リリース時期が何度か変更される状況が続いていました。

この課題を解決し、より確実なスケジュール管理を実現するため、この目標を設定しました。

目指す状態

この目標は単純に「何が何でもスケジュールを守る」という意味ではありません。プロ意識を持ってスケジュールに実行責任と説明責任を持ちつつ、適切なバッファ設定やスコープ調整を柔軟に行える状態を目指します。

想定通りに進まない場合には原因を理解し、継続的に改善します。

3.2 AIの活用によりタスクの直列、並列の両面を増加させる

15%改善の指標はd/d/d(deploys per day per developer)で測定します。上期は0.46でしたが、目標値1.00を目指しました。この目標では、単純な効率化ではなく「非線形の変化」を目指し、AIエージェントの適性把握、コードレビュー能力の向上、プロジェクトタスクと改善タスクの並列実行など、「使っている」から「活用している」状態への転換を図ります。

3.3 具体的な取り組み

これらの目標達成に向けて、CX開発チームでは以下の取り組みを実施しています。

  • 収益確度の高い施策のリリース時期を守れる状態を作る
    • 「4. スプリントベロシティの安定化」
  • AIの活用によりタスクの直列、並列の両面を増加させる
    • 「5. d/d/d(deploys per day per developer)の向上」

4. スプリントベロシティの安定化

4.1 具体的な取り組み内容

スプリント単位での精度向上により、プロジェクト全体の妥当性を担保することを目指します:

  • 変動幅の縮小:計画値から±20%以内での安定運用
  • 見積精度の向上:楽観的見積もりの排除と知見不足要因の定量化
  • 予測可能性の向上:移動平均ベースでの安定したベロシティ維持

スケジュール精度を高めるため、過去数ヶ月のスプリントデータを継続的に収集・分析し、見積精度の向上とベロシティの安定化を図っています。

4.2 取り組み結果

データを分析したところ、以下の傾向が見えてきました:

ベロシティの変動が大きい

  • スプリントごとのばらつきが大きく、計画値から-53% ~ +13%の幅があります
  • また、上振れよりも明らかに下振れするケースが多くありました

ベロシティと計画との乖離

見積もりが甘い傾向

  • タスクの93%は計画通りでした
  • 残り約7%のタスクを分析すると「低く見積もる」傾向にあることがわかりました
  • 一方、高く見積もることは一度もありませんでした

見積と実績の乖離StoryPoint

4.3 課題

分析の結果、以下の2点が不安定さの大きな要因となっていることがわかりました:

  • 知見・スキル不足による影響を見積もり時に加味できていない
  • 楽観的見積もりが多い

4.4 これから

以下の施策に取り組み、見積精度の向上を図ります:

  • 知見・スキル不足要因の定量化: 過去のスプリントデータから、技術的な知見不足がどの程度工数に影響したかを分析し、見積もりに反映
  • 楽観的見積もりの防止: レビュープロセスを導入し、複数の視点で見積もりの妥当性をチェック
  • 過去データの活用: 類似タスクの実績データを参照した見積手法の確立

5. d/d/d(deploys per day per developer)の向上

5.1 具体的な取り組み内容

この指標を通じて、エンジニアチームの価値の本質として、プロダクトへのコミットを高め・安定できているかどうかを測定しています。

上期は0.46でしたが、AI活用を中心とした様々な取り組みにより、現時点で1.01を達成し、目標値1.00を超えることができました。具体的には以下の施策を実施しています:

  • AIエージェントの適性把握: どのようなタスクがAIに適しているかの見極め
  • 並列タスク実行: プロジェクトタスクと改善タスクの同時進行
  • コードレビュー能力の向上: AIが生成したコードを適切に評価・改善する能力の育成

5.2 取り組み結果

チーム全体のd/d/d指標を分析したところ、以下の状況が見えてきました:

大幅な改善を達成

  • 上期0.46 → 現時点1.01: 約120%の改善を達成
  • 目標達成状況: 目標値1.00に対して現時点で101%となり、目標を達成

d/d/d計測結果

想定通りの変動パターン - プロジェクトの性質上、見積もり・調査時期や長期休暇で落ち込み、100%開発に注力できる時期は上振れする想定通りの動きとなっています

5.3 評価

変動はプロジェクトの性質を反映した理想的な動きとなっており、全体的に非常に良好な状態にいることがわかりました

5.4 これから

目標値を達成しましたが、さらなる改善と安定化に向けて、以下の施策に取り組みます:

  • AIエージェント活用の深化: さらなるAI活用の取り組み
    • より非線形な変化が起きるための仕組み作り
  • 継続的な効果測定: d/d/d指標の定期的なモニタリングと安定的な維持・向上

6. のびしろ

2つの重点取り組みを通じて明らかになった課題と、さらなる改善に向けて、チーム全体で以下の施策に取り組んでいきます。

6.1 短期施策

スプリント振り返りの強化 - データ分析に基づく改善ポイントの特定 - 見積精度向上のための手法検討と実践 - 知見・スキル不足要因の定量化と見積もりへの反映

6.2 中長期施策

エンジニアのスキル向上による安定化

短期的な改善施策と並行して、チームメンバーのスキル向上にも取り組んでいます。技術的な知見・スキルが充実することで、見積精度が向上し、開発の安定性が高まります。

具体的には以下の取り組みを進めています:

  • ペアプログラミング・モブプログラミング: メンバー間での知識伝達と相互学習
    • 前期から要件定義や設計をペアプロ・モブプロで実施しており、今期も継続しています
  • 技術勉強会の実施: 定期的な学習機会の提供と、新技術・ベストプラクティスのキャッチアップ
    • 前期から「要件定義勉強会」や「DDD勉強会」を実施し、継続的に取り組んでいます
  • 技術的知見の蓄積: 技術的な知見やノウハウをドキュメント化し、チーム全体で活用

これらの取り組みにより、スキル不足に起因する見積もりの不確実性を減らし、より安定したチーム運営を実現していきます。

7. おわりに

今回の目標設定では、単純な定量目標の達成ではなく、「より上段の目的を達成するためのマイルストーン」として捉えています。開発生産性の向上は「Lenetのプロダクト改善による収益増加」のため、そしてそれは「新しい日常をつくる」という更に大きな目的のためのステップです。

データに基づいた現状分析から始まり、具体的な改善施策まで一貫した取り組みを通じて、チーム全体の成長と事業への貢献を実現していきます。

取り組みの進捗や効果については、今後も継続的に共有していく予定です。

さいごに

ホワイトプラスでは、ビジョンバリューに共感していただけるエンジニアを募集しています! ネットクリーニングの「リネット」など、「生活領域×テクノロジー」で事業を展開しています。 弊社に興味がある方は、オウンドメディア「ホワプラSTYLE」をご覧ください。オンラインでのカジュアル面談も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。