この記事はCalendar for WHITEPLUS | Advent Calendar 2022 - Qiitaの3日目の記事です。
はじめに
こんにちは! ホワイトプラスのWeb開発チームでエンジニアリングマネージャをしている田中Dです。
弊社ではエンジニアの生産性可視化ツールを導入しており、 運用ナレッジが溜まってきたのでシェアします。
前提知識
使っているツールについて
弊社では「FindyTeam+」を使っています。 GitHubやJiraと接続し、自動で生産性指標を集計・可視化してくれます。 見られる指標は色々ありますが、弊チームでは主に以下を活用しています。
- Four Keys
- サイクルタイム分析(実装〜レビュー〜マージ までの各リードタイム)
- その他色々
- 作成したプルリク数
- 貰ったレビュー数
- コミット数
- ...etc
↓↓↓ 画面イメージ ↓↓↓
コツ①:まずは「褒め」から
生産性可視化ツールを導入した直後のマネージャーの心理としては
- このツールを使って成果を出したい!
- 数値を向上させよう!
が先行しがちで、つい「数値の伸びしろ部分・うまくいっていない箇所」に目が行ってしまいます。 しかし、数値に慣れていない状態でマイナスのフィードバックをしてしまうと、数値への興味が薄れてしまいます。 まずは数値の中からメンバーの「うまくできている部分」や「努力や工夫が数値に現れている箇所」を拾っていきましょう。
例1:レビューを貰った数
下記のスクショは、新卒2年目のエンジニアの「もらったレビューコメント」の集計結果です。
直近6ヶ月の平均9件に対して、直近1ヶ月では7.5件に減少しています。 思い返すと6ヶ月前はDDDのアーキテクチャを学び初めた頃で、シニアエンジニアからよく指摘を貰っていた印象でした。 最近はあまり迷わず書けるようになってきて、指摘も減ったかな...と感じていましたので、それが数値に現れていて安心しました。 本人にも1on1で「成長したねぇ!」というフィードバックをしました。
例2:コミット数
弊チームでは「こまめにコミットする」ことを推奨しており、度々周知しています。 下記のスクショは「今月のコミット数」について「チーム平均」と「新卒2年目のエンジニア」で比較したものです。
チーム平均よりも沢山コミットしてくれています! 1on1で本人にフィードバックしたところ、コミットの分割単位やコミットメッセージの分かりやすさに気を遣っているとのことで...努力に気付けたワンシーンでした。
コツ②:定性情報とリンクする
数値を見るときは「定量情報をきっかけに、定性情報とつなげて考える」ようにしています。
以下のグラフはプルリク数の遷移なのですが、10月後半にかけて数値が増加しています。
単純に考えると「プルリク数が上がった = 生産性が上がった」となりますが、実はこの時期は繁忙期対策や臨時対応で開発が忙しかったのです。 チームとして少し無理をしていたので、マネージャとしても健康面を心配していた時期でした。
11月からはペースを落とす方向でリリース時期やタスク量を調整したため、プルリク数も下降傾向を示しています。 今後は余裕を持って開発できていた時期の水準に戻しつつ、そこから緩やかに増加させていければと思います。
このように、定量数値だけでは見えない部分をリンクさせると、効果的な打ち手に繋がることがあります。
コツ③:査定・評価には直接組み込まない
期末査定など、昇給に関連する評価の仕組みとは切り離して運用する方が望ましいと考えています。
極端な例ですが「プルリク数が多いほど昇給する」という仕組みにすると、プルリクを必要以上に細かく分割しはじめたり、プルリクを作らない調査系タスクを取るモチベが下がったりする恐れが出てきます。また、顧客への価値提供という元々の使命も忘れてしまいます。
弊社の期末査定は「業務上の成果(プロジェクトの完遂・組織貢献など)」や「本人のスキルレベル」で評価しており、生産性可視化ツールはそれらの達成を後押しするための中間的な役割に留めています。
構図としては「①プルリクを細かく分ける → ②レビュー負荷が下がり時間が短縮できる → ③顧客に早く価値を提供できる」という形で、査定の評価軸は③にしています。
プルリクを細かく分けるのも、レビューを素早く行うのも、業務上の成果を最大化するための取り組みの1つでしかない...という位置付けです。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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