WHITEPLUS TechBlog

株式会社ホワイトプラスのエンジニアによる開発ブログです。

育休を後押しする文化とチームづくり

この記事はWHITEPLUS Advent Calendar 2022の20日目の記事です。

はじめに

こんにちは、ホワイトプラスのコアシステム開発グループでエンジニアリングマネジャー(EM)をしているinouehiです。

先日第二子を授かり、8〜9月の2ヶ月間、育児休業(育休)を取得しました。

出産をひかえたご家族がいらっしゃる方、育休について漠然と考えられている方、育休の取得を検討されている方、それらの同僚の方の参考になればと思い、、、参考になるか正直わからないのですが、ひとつの事例としてご覧いただければ幸いです。

前提

家庭や仕事を取り巻く環境は千差万別で、向き合い方も人により様々だと思います。この記事を解釈する上で鍵となる前提をいくつかあげておきます。

  • 出産に伴うダメージは大きい。数週間安静にするのが望ましい。
  • コロナにより両家両親からの支援は望めない。
  • 出産、子育ては私にとって2回目の経験。
  • 上の子は3歳。
  • 会社における私のロールはEM。
  • 当社はフルリモート、裁量労働制(現在はフルフレックス)。

育休前のあれこれ

1回目の経験から、支援なしで妻だけで出産後の生活を乗り切るのはどう考えても無理があると感じていました。しかも1回目との大きな違いとして子供がもう1人いますし。しかしその一方で、事業やチームへの影響を考えた時に育休をとれるのか、とっていいものかという葛藤がありました。

ひとまずCTOとの1on1で相談してみたところ、是非育休をとって家庭を大事にしてくれと言われました。即答でした。めっちゃ男前でした。また、妻の妊娠をチームに伝えた際には、こちらから何か言うまでもなくメンバーから、チームのことは任せて育休とって下さいねと言ってもらえました。男前過ぎて震えました。快く送り出してくれたものの仕事への影響がないわけがないので、せめて少しでも負担や不都合を減らせるよう、抜かりなく準備をしようと心に誓いました。

出産まであと3ヶ月程に迫った5月頃、妻が体調を崩してお医者様から安静にするよう言い渡されました。ワンオペで育児、家事を回す日々がスタートしました。体力的には過酷でしたが充実した日々でした。フルリモート+裁量労働制(またはフレックス)でなければ無理だったかもしれません。

起床後、洗濯を始め、朝食を作り、食べさせ、洗濯物を干し、保育園に送り、掃除して、始業。昼になったら妻の昼食を準備し、時に買い物へ。夕方になったら、仕事を終えて、保育園にお迎えに行き、夕飯を作り、食べさせ、風呂に入れ、仕事が残っていれば再開。終業後、食器を洗い、洗濯物を畳み、散らかった部屋を片付け、翌日の食事や保育園の準備を行い、風呂に入って就寝。週末には、保育園に行く代わりに午前と午後に方々の公園に出かけ、買い物と食事を作りだめして、あとは平日同様のタスクをこなす。そんな日々が続きました。

この期間は自由な時間がほぼなく、あまり勉強できなかったのですが、家事の最中に、本を読んだりコードを書いたりすることはできないものの耳は空いているのでEM.FMfukabori.fmPHPの現場などのポッドキャストを聴いて過ごしました。

育休を躊躇している、諦めている方に知ってほしいこと

私はこれを知らなかったがゆえに育休を取得するのは無理なのではないかと思っていました。

私が育休を躊躇する大きな理由として、「どうしても自分がやるべき仕事」の存在がありました。例えば採用面接などです。当社への入社を検討して下さる方に、ジョインするであろうチームのEMがどんな人間なのか、どんな価値観を持ったチームなのかをご自身の目で確かめていただくために、どうしても休むわけにはいかない、かといって数ヶ月も採用活動を止めるわけにもいかない、、、と考えていました。

しかし、経営管理部から育休制度のことを教わる中で、この問題を解決できることがわかりました。『育児休業中の就労について』を厚労省が公開している通り、所定の回数(時間)勤務することが可能な制度設計になっていたのです。

今後も制度が変わりうると思いますので詳細には書きませんが、育休を取得できる期間や回数、給付金額の計算方法、社会保険料の免除など、生活に影響のあるポイントがいくつかありますので、興味のある方は担当部署に相談してみて下さい。

育休の準備、実は1年前から始まっていた

育休を意図してのことではないですが、EMになった当初から事実上の準備が始まっていました。

私が志向しているのは、EMが中央集権的にメンバーを管理するのではなく、各々が自律的に活躍することを前提に、EMは環境整備や大極的な意思決定に徹するという体制です。

現在は、開発プロジェクトが立ち上がるとプロジェクトリーダーをアサインして、開発をコントロールする裁量をお渡しする運用にしています。その上で壁打ち、相談に応じたり、意見出ししたりして開発が滑らかに進むよう支援します。私は単体のプロジェクトに収まらないことに対処する役割を担っており、例えば以下のようなことに取り組んでいます。(状況に応じてコードを書くこともあります。)

  • チームの課題を識別し、除去する。
  • 開発がうまくいくように環境を整える。
  • メンバーが働きやすい環境、開発に集中しやすい環境を整える。
  • プロジェクト間のコントロール。
  • チーム内外とのコミュニケーション。あるいは、その媒介、ファシリテーション。
  • 設計、コード等のレビューを行う。(チーム全体の品質管理)
  • 採用。
  • 評価。

最重要なポイントは”人”だと考えています。

まず頼れるメンバーの存在があります。業務、技術、開発プロセスに関するナレッジを有し、自律的に判断することができるメンバーがいてくれて、普段から裁量をもって仕事に取り組んでもらっていたことにより、しばらくの間私が不在にしたところで揺らぐことのないチームができあがっていました。

それに加えて、EMロールの一部をCTOと他チームのEMが巻き取ってくれました。経営管理部、ヒューマンリソースグループのフォローや、業務上の関係者の協力的な姿勢にも助けられました。

ところで当社は3つのバリューを大切にしています。

  • のびしろで戦う
  • 心遣いで仲間を笑顔にする
  • 気づいたらすぐ行動

私は特に「心遣いで仲間を笑顔にする」に共感して入社したのですが、育休もそうですが日頃からこの文化に助けられています。ありがたやありがたや。文化は人がつくります。私自身もそんな文化を強くできるよう振る舞いたいと考えています。

さてその他にも、業務の属人化を防止するため普段から情報の共有を積極的に行うこと、知り得たことを言語化し伝えること、必要に応じてドキュメントに残すことを徹底していたことが、業務の引き継ぎに役立ったように思います。

かくして、2ヶ月間の開発予定や体制を決めること、予定外のことが起きた時の意思決定の仕組みを準備すること、関係各所への体制周知やコミュニケーション経路の整備などを仕上げて、育休に入ることができました。

育休中

我が家は共働きということもあり、元々家事をシェアしていたのと育児も2回目なので大きな混乱はありませんでした。ただ、新生児や幼児と安静中の妻を家に残して外出するのも憚られる中で、種々の宅配サービスに助けられました。忙しい時期、家を空けにくい時には特にありがたいですね。そうでなくても、サービスを活用することで空いた時間を使って趣味を楽しむもよし、自己研鑽するもよし、ゆっくりするもよし。コロナというきっかけもあり、生活様式が以前とは変わってきたように思います。

育児、家事(上述した育休前のタスクや赤ちゃんのおむつ替え、入浴、哺乳瓶の洗浄、寝かしつけ等)で忙しくはありましたが、哺乳瓶を洗浄、煮沸しながらポッドキャストを聴いたり、少し空いた時間で読書したり、9月に登壇予定だったPHP Conference Japan1の準備を行うことができました。

まとめ

今回は、エンジニア、男性、EMの視点から育休について一つの事例を共有させていただきました。何かの参考になれば幸いです。

今回育休を取得したのは、仕事だけじゃなく家庭や私生活も大事にして下さいというメンバーへのメッセージでもあります。互いに依存ではなく助け合えるチームでありたいと考えており、そのために心遣いで仲間を笑顔にするという文化をベースに、相手を支援するし、支援されもすることを前提とした仕事の仕方を大切にしています。これからも、自律的でありつつ協調しながら事業や開発を前進させられる組織でありつづけられるよう取り組んでゆきたいと思います。

さいごに

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